FF14をプレイ開始してまずは使用ジョブをヒーラーから選びたい、これからヒーラーをメインジョブで運用したいと思っている方、もしくは別ロールから改めてヒーラーロールに挑戦してみようという方向けに…押さえておくべき基礎知識や立ち回りの考え方を解説する記事になります。
※各ジョブの解説記事も別途作成次第、ここに追記予定。
PTにおけるヒーラーロールの役割
FF14のPT戦闘は基本4~8人で行なうものですが、「ヒーラーなんだからPTメンバーの回復だけしておけばいいんじゃないの?」とまず考えられる方は多いと思います。これに対する答えはNo。理由としてFF14のボス(敵MOB)HPはヒーラーが与える期待ダメージも含め設定されているゲームデザインであることが挙げられます。
端的に言えばタンク&DPSが稼ぐダメージだけでなく、ヒーラーもある程度期待されているダメージを稼ぐようにしないとコンテンツクリアできないケースが有り得るということです。もちろん、強いDPSやPTメンバーに恵まれた場合は倒せるコンテンツが多数派になるかもしれませんが、求められているヒール軽減と攻撃火力を(なるべく)高い水準で両立するのが良いヒーラーの条件となります。
- タンクはPTメンバーを敵の攻撃から守る(PTメンバーが食らうダメージを可能な限り引き受ける)
- DPSは敵を殲滅する(敵のHPを主力として削る)
- ヒーラーはPTメンバーのHPを回復する(全滅しないよう戦線維持をする)
ざっくり見ればこれに自体は間違いありません。
しかし、タンクはただ敵攻撃を受けているだけではなく防御バフを張りながら敵を殴っていますし、DPSは全体攻撃に対してPTに軽減バフ/火力バフを撒きながら敵を殴っています。それらになぞらえて言えば、ヒーラーはPT回復に加えてタンクに防御バフ・PTに軽減バフ/火力バフを撒きながら殴るロールとなるわけです。
これらの見方によっては「全員しっかり攻撃しないといけないなら、味方依存で平行する作業が多いヒーラーロールって大変なんじゃ…」とも思われるかもしれません。しかしながらヒールスキルの占有率が高いロールなので、攻撃関連のスキルがタンクDPSより少ない→攻撃するだけであれば複雑なスキル回しを必要としないのが良い点でもあります。
ここまでの内容で出る結論としてHP回復を含めたPT支援を主軸に置くプレイをしたい、という人に向いているのがヒーラーロールではないかなというのが筆者の考えです。それ故タンクDPSに比べて攻撃火力が一番低いロールですが、攻撃に偏りすぎればPT維持が難しく、ヒールに偏りすぎればPT火力を落としてしまい戦闘時間が伸び苦しくなる…コンテンツに合わせたさじ加減(ヒールワーク)が必要となります。
PT構成/環境にもよりますが、タンクDPSが防御バフ/全体軽減を適切に使ってくれなかった場合や、ギミックミスで不要な被弾の多い人がいた際に蘇生&追加ヒールが増える→行動的に追い込まれることも…高難度コンテンツ攻略に臨む際は特に、ストレス耐性があって戦闘をある程度コントロールするのにやりがいを感じられるならば、より楽しめるロールだと言えるでしょう。
PH・BHの違い
4人コンテンツ(主にID)ではヒーラー規定人数は1人ですが、討滅戦などの8人コンテンツではヒーラー規定人数が2人となりペアでヒール軽減を回していくことになります。
- PH(ピュアヒーラー)はダイレクトヒールに優れており、大幅に減ったHPを戻す。
- BH(バリアヒーラー)はバリアヒールに優れており、受けるダメージを軽減する。
白魔導士&占星術師がPH、学者&賢者がBHとして、対応スキルを主に構成されています。PHだから全くバリアを持っていないとか、逆にBHだからダイレクトヒールが全く出来ないというわけではありませんが、ヒール軽減のバランスが悪くなるので被らないように組むのが定石。
それぞれに長所短所があり、プレイフィールやコンテンツ相性などに合わせて複数扱えるのが理想ですが、タンク&DPS構成によってもある程度の相性があるので、自分がメインで扱うジョブに加えペアを組む可能性があるヒーラージョブのスキル構成は最低限把握しておくことが重要です。
各ヒーラージョブの選び方&紹介
本体の攻撃性能と支援能力に特徴差があり、高難易度を含む全てのコンテンツにおいて(相性による有利不利はあっても)明らかな格差が影響してクリア不可能になるジョブはないと考えて下さい。
実際にやってみたプレイフィールの良し悪しは当然個人差があるでしょうし、PTに対するジョブ需要・人口はコンテンツによるところもあります。FF14は大型拡張(パッケ購入)以降もパッチメンテ毎に細かいジョブ修正を実施する傾向から、まずは各ジョブの簡単な紹介を読んだ上で使用武器の見た目やスキルエフェクトの好みなど、直感的な部分を決め手にして良いです。
白魔導士(幻術士)
キャラ作成時に幻術士を初期選択するか「自然を紡ぐ幻術士」をコンプリート、そこから幻術士をLv30まで上げ「偉人の後継者」をコンプリートするとジョブチェンジ可能。
- PH枠
- 唯一初期選択で始められるヒーラージョブ
- DPSロールと同等の高火力GCD魔法有
- 単体全回復のアビリティ持ち
- 範囲魔法にスタン付与で敵の動きを止められる
- ヒール量upアビリティが複数
初期選択可能に加えたネームバリューと、花に見立てたエフェクトが人気なことから使用人口No.1ヒーラーで恐らく間違いない。
アビリティヒールが少ない代わりに、20秒/1個自動スタックのヒーリングリリーを消費してハート・オブ・ラプチャー(全体)/ハート・オブ・ソラス(単体)で無詠唱GCDヒールを回すジョブ設計。これらを3回消費すると、DPS顔負けの高威力GCD魔法「ハート・オブ・ミゼリ」を1発打てる。しかもこの魔法は(2体目以降は威力50%減)着弾範囲となるので、IDのグループ敵やレイドの雑魚フェーズなどではDPSロールよりも瞬間火力が高くなったりする。単騎で見た場合の本体火力はヒーラートップ。
その他GCDヒールでは高威力全体回復としてケアルガが優秀だが、他ヒーラーたちに比べMPの回復効率が低めなので乱発禁物。全体バリアを持たず、全体軽減もリキャストが長めのテンパランスのみとなり、HPを瞬間的に戻すのは得意でもタンクや相方BHの軽減意識が低いと苦しい展開になりやすいのが悩み。上記の理由から高難易度コンテンツにおいても、豊富なヒールアビリティと強力なシナジーバフを持つ占星術師にPH固定席を奪われがち。(とは言ってもPT募集なら早い者勝ちなので白で埋まっているケースも実際多い…)
(リキャストで回すべき)アビリティ自体が少ないため、一般的に操作難易度は低いジョブと見られている。実際のところ他ヒーラーを経験していれば白魔導士の操作は難しくないが、使えるアビリティが少ない=スキルの吐きどころを誤ると状況が悪くなってしまうことを踏まえて運用する必要有。
占星術師
メインクエストでイシュガルドに到着直後から、「天界への道」をコンプリートでジョブチェンジ可能。2022年現在はフリートライアルでも蒼天のイシュガルド(ver3.x)までプレイ可能になっていることから、拡張導入有無によるジョブチェンジ制限はなくLv30から育成開始となる。
- PH枠
- ヒール&軽減アビリティが豊富でリキャストも短い
- カードや全体バフによる与ダメupでPT火力貢献
- PHでありながらHoT付の全体バリアを張れる
- 一定時間魔法無詠唱になる自己バフ持ち
- 時限式の全体ヒール(バフ)アビリティが複数
ディヴィネーション&カードによる与ダメージupシナジーバフがPT火力を強烈に底上げ、シナジージョブの頂点に君臨している。60秒リキャストで軽減効果&HoT付与される運命の輪、受けた全体ダメージを吸収して自動的にHPを戻せるマクロコスモスなどのアビリティヒールも非常に強力。ニュートラルセクトで自己強化すれば(一時的に)BHに劣らぬGCDバリアヒールも可能で、特に高難易度コンテンツにおいてはPT需要が高いジョブ。
同じPHの白魔導士に比べるとカタログスペックでかなり優位をつけているが、運用にあたっての懸念点はいくつか挙げられる。
- アビリティ数が多いこと等を理由として操作難易度が高め
- PT(特にDPS)が強くないとシナジーバフが充分に活きない
- DPSが強くともシナジーバフを活かすため自身の他ジョブ知識が最低限必要
主にこの辺りを要因とし、他ヒーラージョブを経験している人からでも使用を敬遠されがちな傾向。高難易度コンテンツでは特に、ギミックタイムラインを把握した上でヒールワークを組まないと強みが出し切れないので、場当たりな対応でいくなら白魔導士の方が優位なケースもある。明らかな弱点としてみるなら、本体火力が全ジョブ中最低なことくらい。
学者(巴術士)
キャラ作成時に巴術士を初期選択するか「戦況を絡繰る巴術士」をコンプリート、そこから巴術士をLv30まで上げ「学問ノススメ」をコンプリートするとジョブチェンジ可能。
- BH枠
- DPSロールの召喚士とレベルを共有
- 敵に被クリティカル率upのデバフをかけてPT火力貢献
- ペット枠のフェアリーが自動ヒール
- 唯一の(戦闘中)全体移動速度upバフ持ち
- 強力な全体バリアを複数重ねて張れる
育成開始からジョブチェンジのLv30まではDPSロールとして運用する必要がある。リターンというわけではないがDPSロールである召喚士とレベル共有されているため、装備とスキル回しさえ整えれば2ロール2ジョブ運用可能なのは魅力的。
連環計によるシナジーデバフでPT火力に貢献しつつ、軽減効果&移動速度upの疾風怒濤の計はPTメンバーのギミック対応も補助可能。フェアリーからはHPの減っているプレイヤーにオート(tick)ヒールがかかり、自身が移動せずとも主要ヒール&バリアアビリティは大体フェアリーから発動するので離れた位置にいるプレイヤーにも対応しやすい。(タンクDPSからの)必要軽減が多少抜けてしまった場合でも、即死級の全体攻撃に対してコンソレイション&秘策鼓舞展開によるバリアは耐えられる可能性を残せる程に強力。
どのコンテンツに対しても性能的に安定したBH枠だが、名称/アイコンからスキル効果内容が若干覚えにくいと言われている節はある。
- エーテルフローの管理により火力/ヒール量が増減
- アビリティの使用可否がフェアリーの状態により変化する
運用上問題になりやすいのがこの二点。主要軽減になる野戦治療の陣はエーテルフローを使用するが、加えて攻撃アビリティであるエナジードレインを打つ回数にも影響→フローをヒール軽減に充てすぎると本体火力が全ジョブ中最底辺まで落ち込む可能性が生まれる。BHのGCDヒールはPHよりもMP消費が高めで安易に切るとガス欠を起こす上に、バリア付与がある都合からPHのように戻し性能が強くない。フェアリー周りを含めたアビリティの回し方で差がつきやすく、PT構成などの環境に合わせてヒールワークを適応させることに楽しみを見いだせる人は向いているジョブかもしれない。
賢者
拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」のプレイ権利導入が前提。それに加えてLv70に到達したバトルジョブがあればリムサ・ロミンサで「賢者の誓い」を受注出来るので、これをコンプリート後にジョブチェンジ可能。Lv70から育成開始となり、ジョブクエストもLv70~80範囲のみ。
- BH枠
- 高レベルスタートで育成が楽
- ヒーラーの中で一番メイン魔法威力が高い
- BHでありながらダイレクトヒールが豊富
- GCDバリアヒールが実質無詠唱
- 敵味方を対象にした瞬間移動アビリティ持ち
レベリング期間が短くある程度の主要スキルが出揃った状態から育成開始できるため、ロールチェンジでまず1ジョブヒーラーをやってみようという人へ特にお勧め。シナジーバフを持たない白魔導士と同様に用意されている高威力GCD・対象範囲魔法のフレグマⅢや、直線範囲攻撃魔法でありながら強力な全体回復を同時に行なえるプネウマなどが売り。タンクにカルディアを付与しておけばGCD攻撃時に都度HPを回復することもでき、20秒/1個自動スタックのアダーガルで使えるアビリティヒール/軽減はリキャストも短く多彩。
シナジーバフを持たないため、同様PH枠の白魔導士とほぼ差がないくらいの本体火力で調整されている。タイムラインをあまり把握していない時でも場当たりに出せるヒールリソースが多いが、最大出力で張ったバリア総量は学者に劣る。BH枠だが若干ダイレクトヒールに偏ったスキル構成で、白魔導士&占星術士どちらと組んでもオーバーヒール気味になるケースも。視点を変えれば相方ヒーラーのヒールワークに後出ししていけるくらいではあるので、PT全体で不足している部分を埋めるように単体軽減/単体ヒールを差していくとジョブスペックの高さを実感できるはず。
基本的なスキル回しについて
実際はスキル回しというよりも各スキルの運用/用途の考え方について簡単に触れています。ジョブ毎に持ち合わせているGCD&アビリティが異なりますが、それらの内容と基礎的な使い方を覚えた上で効果の共通しているスキルを当てはめれば、ヒーラー間のジョブチェンジは比較的容易になるはずです。
GCDスキルの運用
基本サイクルとしてのスキル回しは単体/範囲攻撃魔法→30秒間のDoT魔法をループさせるだけ、簡単!
暁月からの仕様変更で、メイン攻撃魔法はヒーラージョブ共通でリキャストタイム(次にGCDを打てる状態になるまで)よりもキャストタイム(詠唱時間)が短くなりました。基本はこの1秒間に単体/全体ヒールアビリティ等を使用→戦線維持をしながら攻撃し続けることになります。
この1秒間にアビリティを挟んでいくのが厳しいということであれば、白魔導士のハート・オブ・ラプチャー/ソラス、占星術師であればライトスピード効果中、学者ならルインラ、賢者はトキシコンなどが無詠唱となるので最大2.5秒の猶予が作れます。DoT魔法も基本無詠唱なのでここのGCD間も上手く活用し、とにかく手(GCD)を止めないことが大事です。
アビリティだけでヒールがどうしても回らない、そうなった場合にのみGCDヒールを使用するよう心掛けて下さい。
- 消費MPが高い
- 詠唱時間が長いケースが多い
- 打てる攻撃魔法の回数が減る
デメリットは単純にこの3点で考え、これらを加味しても必要だと思える状況になった時に初めてGCDヒールを切ります。育成中でレベルがカンストしていない、またはCFでレベルシンクされている時は使えるアビリティ自体があまりないケースもあるはず…そういう時は仕方がないので攻撃回数とMPを気にしながらGCDヒールをなるべく適切に使うよう心掛けていれば、レベルが上がり修得/レベルシンクが外れるなどで使えるアビリティの制限がなくなった時に操作的余裕が生まれる(上達している)ことでしょう。
アビリティヒール/軽減
GCD間(1秒~2.5秒間)に挟み込む形で、それぞれ状況や特性に応じて使うことが求められています。GCD詠唱中に使用するなど押すタイミングが悪いと、GCDが硬直遅延するため注意が必要です。
- 敵が詠唱する強力な全体攻撃
- タンクへの強攻撃
主にこの辺りで軽減アビリティでダメージを抑える→HPを戻すためにヒールアビリティを使うのが基本になります。
GCDとは異なってリキャスト秒数が長く、MP回復の追加効果や敵への攻撃ダメージを伴うものもあるので、リキャストが上がっていたらGCD間でなるべく早く使うことを徹底しましょう。これを守れなかったことから、ヒール不足になりGCDヒール→結果HPを戻しきれずMPも不足して後手に回るといったパターンが初心者の内は特に多いです。
HoT
Heal over Timeの略称、継続回復を差す言葉です。減ったHPを次の全体攻撃までに時間をかけて戻したり、タンクへのAA(オートアタック)ダメージを和らげる役割があります。
DoTダメージやMP自然回復と同様、3秒毎に回復が発生します。白魔導士のGCDヒール「リジェネ」を例にすると、回復力250/効果時間18秒となっているので回復判定は6回=HoTが完走すれば合計回復力1500→1GCDでケアルラ2発分相当の回復量になりますね。次の攻撃がくるまでにHPを戻せばいい、と判断した際にHoT完走で賄うことで効率的なヒールが行なえるわけです。初心者の内は特に「HPが減ったから早く戻さなければ!」とダイレクトヒールを全力でつぎ込んでしまいがち、HoTで落ち着いて戻す癖も徐々につけていくと良いです。
ヒール総量が不足していると判断した状況なら、他のダイレクトヒールやアビリティも重ねて使っていけばより安定性が増します。PHBHに関わらず全てのヒーラーは全体HoTアビリティを修得するので、相方ヒーラーのHoTと噛み合えばヒールワークが円滑に回ることでしょう。
蘇生
ヒーラーに求められる重要な役割の一つ、それは戦闘不能になってしまったPTメンバーの蘇生。
全てのヒーラージョブは(スキル名称は異なりますが)同じ性能の蘇生GCD魔法を修得します。攻撃/回復魔法GCDとの大きな違いは消費MPが2400・詠唱時間が最大8秒と非常に高コストなことです。60秒周期で使える共通アビリティ・迅速魔を使えば詠唱時間に関しては解消できますが、コンテンツ攻略中にギミックミスなどで複数人が戦闘不能になってしまうと対応しきれなくなります。迅速魔は移動距離を稼ぐために使うケースも多いため、タイムライン上PTメンバーがギミックミスで即死しそうな局面を予測→場面により蘇生用として温存することも頭に入れておきたいところです。
リミットブレイク
ヒーラージョブがリミットブレイクを使った場合は全体HP回復効果に置き換わりますが、レベル3(LB3)になると戦闘不能者は衰弱なしで蘇生&生存者はHP/MPが全回復という強烈な効果に上昇します。
- 仕様上フルパーティ(8人)コンテンツでないとLBゲージが3本にならない
- 火力が足りないケースでDPSがLB使用を宣言している
- タンクLBを使わなければ耐えられない全体攻撃が(TL上に)ある
判断を迷うことも多いかもしれませんが、上記条件のどれにも当てはまらなければヒーラー独断でLB3を使用して問題ありません。詠唱2秒/硬直8秒であることを念頭に置き、使った10秒後に自分が次のギミックに移動対応可能かどうかだけは判断して使いましょう。
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